椿は大丈夫だろうか。
美鶴や小野瀬は―――。
月野はお守りを手にし、部屋の扉に歩み寄り、ゆっくりと開いてから、外に出た。
「やっぱり、出ない方が―――」
言いかけて、月野の動きが止まる。
後ろに誰かいる?
いや、まさか。
月野はゴクリと唾を飲み込み、怖ず怖ずと振り返った。
「・・・・・・だ、誰?」
見たことのない男性が、背後に立っていた。
身なりは良いし、中庭にいた男とは別人。
目は赤くないし、咎堕ちと対峙した時の恐怖感は感じない。
「お前がダンピール、だな?」
「・・・・・・」
月野は身の危険を感じ、後ずさる。
部屋へ戻る?
それとも、廊下を走って1階へ行く?
ぐるぐると頭の中で考えるが、どれも良い案とは言えない。
「きゃあ!」
「大人しくしろっ」
男性―――光彦は月野の手を掴み、乱暴に壁に押し付けた。



