冷酷とも取れる判断を下すのもまた、当主の役目だ。
「・・・・・・秦。俺の刀を取ってきてくれ」
「―――わかりました」
秦は状況を理解し、十夜の部屋へ向かい踵を返す。
静寂が辺りを包むこの感覚に、呼吸さえも忘れそう。
少し離れたところでは、一族や多くの者が騒いでいるというのに。
“彼”がいるだけで、その場の空気が震えて張り詰める。
「伊織、さん・・・・・・」
十夜の目の前に立つ伊織は、どこか冷たい笑顔を浮かべていた。
「大騒ぎだね」
「・・・・・・」
伊織から敵意は感じない。
今すぐにでも咎堕ちを追いかけねばならないのに、喉元に刃を突き立てられたかのように、体が動かない。
「一つ、聞きたいことがあります」
十夜は警戒を解かず、伊織を真っ直ぐと見据えた。
「立花 光彦は、主犯ですか?」
「・・・・・・」



