「月野ちゃんのこと、気に入ってるくせに」
「気に入ってなんかない!」
「うわっ」
愛理が容赦なく、鷹斗の顔に水をかけた。
「しょっぺぇ・・・・・・」
「ふんっ!」
顔を背けると、愛理はさっさと泳いでいってしまう。
「あ、競争しようぜ!」
鷹斗はそんな愛理を追いかけるように、泳ぎ出した。
本のページをめくる手が止まる。
月野が顔を上げると、十夜がいた。
「どうしたの?」
隣に腰を下ろす十夜を、月野は不思議そうな顔で見た。
「あ、私の事なら気にしなくても大丈夫だから」
「あんまり、騒がしいのは好きじゃない」
本当なら、海だって来たいわけじゃなかった。
ただ、鷹斗と愛理に反対する気が失せただけ。
「・・・・・・そっか」
月野は肩から力を抜いて、本に視線を戻した。



