(ヴァンパイアはみんな美形。・・・・・・はぁ)
月野はわかっていないが、月野だって綺麗な容姿をしている。
大和撫子を思わせる長い黒髪と瞳、そして白い肌。
でも、十夜達と並ぶと自信なんて芽生えもしない。
「十夜、泳ぎましょ!」
真っ赤な水着を着た愛理は、愛らしい色香がある。
それを自身もわかっているから、愛理はいつも自信に溢れているのだ。
「月野は?」
「私、泳げない」
「じゃあ、俺も―――」
言いかけた十夜を、愛理が無理矢理引っ張った。
「ダメ。私と遊ぶの」
「愛理?」
月野はふたりを見送り、荷物からゴソゴソと本を取り出した。
波の音と潮の香り。
少し暑いけど、ビーチで静かにゆっくりと読書をできる機会なんて、滅多にないから。
「冷たくて気持ちいいわね。鷹斗なんて、かなり遠くまで泳いでる」
腰まで海に浸かり、愛理は楽しげに笑う。
それに反して、十夜はビーチを気にしてばかりいるようだ。



