死を覚悟し、ギュッと目を閉じた月野。
けれど、いつまでたっても痛みは訪れない。
むしろ、温かいものに包み込まれているような気がして―――。
月野は恐る恐る、目を開けてみた。
「・・・・・・あ、綾織くん?」
月野を抱きしめるように、十夜が浦部を睨み上げていた。
「どうして・・・・・・! ち、血が出てるっ」
十夜の背中を見れば、シャツが引き裂かれ、肌から血が流れていた。
「傷はもう塞がってる」
そう言うが、血は未だに乾かず生暖かいまま。
月野は顔を青くして、十夜の背中を見つめた。
(私を庇ったから・・・・・・)
「お前のせいじゃない」
月野を立ち上がらせると、十夜は真っ直ぐに浦部を見据えた。
何を言ったって、今の彼には届かないだろう。
「月野、お前のお守りを俺に貸してくれ」
「こ、殺すの・・・・・・?」



