RUBY EYE


ヴァンパイア、というより、最早化け物としか呼べない。

に、逃げなきゃ・・・・・・。

そう思うのに、後ずさる足がうまく動かない。


「あっ」


自分の足にもつれて、月野はその場に倒れ込んだ。

見上げた浦部と目が合い、月野の体が恐怖で震えた。


「あは、アハハ」


物欲しげに垂れるよだれと、口から漏れる渇いた笑いが、更に恐怖を煽る。


「あ、あ・・・・・・」


立ち上がろうとしても、力が入らない。

死の恐怖が、じわじわと足元を這いつくばり、月野を捕らえようと手を伸ばす。


「血・・・・・・血、ち・・・・・・チ・・・・・・血・・・・・・」


呪文のように繰り返される言葉。


「い、いや・・・・・・」


目尻に浮かぶ涙が、視界を潤ませる。

そんな月野を見て、浦部は楽しげに、鋭い爪を振り下ろした。


「―――!!」