「粛清の綾織。綾織家は、古くより咎堕ちしたヴァンパイアの処分を行ってきた家です」
処分―――すなわち、死だ。
綾織家の役目は、咎堕ちしたヴァンパイアが、人間をむやみに襲ったりしないため、その命を絶ってきた。
桜太のような者を監視するのも、綾織家の仕事だという。
「綾織くんも?」
「彼は、綾織の次期当主ですからね。幼い頃から、自分の家の役目というものを、知っているはずですよ」
もしかしたら、既に誰かを殺めているかもしれない。
「・・・・・・。そういう役目があるのは、綾織家だけなんですか?」
十夜のことは、考えないようにした。
十夜は十夜だ。
「いいえ。【秩序の香堂】、そして【調停の音無】。この3つの家が、日本のヴァンパイアを束ねているんです」
改めて聞くと、ヴァンパイアにはヴァンパイアの世界があるのだと知る。
みんな、この世界で生きてきたんだ。



