「アイスティーを。何か手伝いましょうか?」
グラスを用意する小野瀬に、月野は控えめに聞いてみた。
「このくらい、慣れていますよ」
「そうですか。・・・・・・あの、咎堕ち、ってなんですか?」
イスに腰掛け、慣れた手つきで仕度をする小野瀬に問いかける。
ずっと気になっていたのだが、聞けずにいた。
「咎堕ちとは、自我を失ったヴァンパイアの総称です」
「自我を失った・・・・・・」
「えぇ。吸血衝動を制御できず、血に狂ってしまった者は、総じて自我を失うのです」
自我を失うなんて有り得ないと思いたいが、自分を襲った浦部や桜太を知っているから、否定できない。
「咎堕ちしたヴァンパイアは、どうなるんですか?」
「そうですね。咎堕ちしたヴァンパイアは、例外なく、綾織家に引き渡されます」
「綾織家? そういえば、伊織さんが粛清がどうとか・・・・・・」
綾織と言えば、十夜の家だ。



