月野に傘を差し出すと、十夜の肩が雨で濡れた。
「勝手に出ていって、何かあったらどうするつもりだったんだ?」
「“お守り”、必要なかったみたい」
「お守り?」
十夜は意味がわからなくて、怪訝な顔をする。
「鷹斗と、何かあったのか?」
「ううん、何もなかった。・・・・・・帰ろう、綾織くん」
十夜の手を引き、月野は歩きだす。
くるくると廻る輪は、時折、別の輪の力がなければ廻れない時がある。
ほんの少しでいい。
そうしたら、あとは自力で廻りだし、その人の運命が動き出す。
「おっはよ〜、月野ちゃん」
背中に抱き着かれ、月野は倒れ込みそうになる。
「鷹斗」
「そんな睨むなよ」
十夜に睨まれた鷹斗は、月野から体を離す。
「なぁ、十夜」
ぐいっと、肩を引き寄せられ、十夜は眉間に皺を寄せる。



