鷹斗の言葉に、月野が逸らしていた顔を、真っ直ぐ鷹斗に向けた。
視線が合うと、鷹斗は嬉しそうに微笑む。
「月野ちゃん・・・・・・」
「私を見てる?」
唇が触れ合う寸前、月野が問いかける。
「・・・・・・見てるよ。当たり前・・・・・・」
月野が不意に、鷹斗の顔を引き寄せて、抱きしめた。
「な・・・・・・」
月野が恐怖心を抱かなかったのは、きっと、鷹斗に迷いを感じたからだ。
押し倒しておきながら、腕も足も自由にして。
いつでも逃げれる状態に、月野は彼の迷いを見た。
「ごめんなさい。血はあげれないわ」
「・・・・・・」
月野の心臓の音が聞こえる。
少しだけ早いのは、彼女が緊張しているからだろう。
「でも、香堂くんが落ち着くまで、こうしていてあげるから」
(あったかい・・・・・・)
柔らかな温もり。



