RUBY EYE


鷹斗が、シャツを脱いで床に落とした。

均整のとれた肉体は、美しい。


「月野ちゃん、俺に“恋”をしてごらん?」

「恋・・・・・・?」


近くなる距離に、月野は顔を逸らす。


「血を吸われるその時だけでも、俺を好きだと思えばいい」


鼻腔を通り抜けるのは、香水なのか、鷹斗の匂いなのか。


「痛みなんて、最初だけだ。すぐに気持ち良くなる。俺、上手いよ? 人間の女が、もっと・・・・・・って自分から求めるくらいに」


鷹斗は、いろんな女性と“恋”をする。

人間もヴァンパイアも関係なく。

でも、それは所詮、その場だけの儚い恋。

相手が本気になろうとも、鷹斗は一度として、本気になったことはない。

その時その時の“恋”に、身を投じてきた。


「ねぇ、月野ちゃん。・・・・・・君の香りは、俺達を狂わせる」


首筋を、鷹斗の指先が優しく撫でる。


「俺も、狂うくらいの恋ができるのかな・・・・・・? 君となら、そんな恋ができるかな?」