「でも、両親が愛してくれる“自分”でもいたかった。ジレンマだよ。月野ちゃんにも、わかるだろ?」
殺してほしいと言う祖母と、それを拒みながらも振りほどけない自分の心。
桜太がそれを知っていたとは思えないが、知らず知らず、助けを求めたのだろう。
「14歳だが、心はまだまだ子供。そんなジレンマに打ち勝てるほど、あのガキは強くなかった、ってことだ」
笑顔で語る鷹斗に、同情や哀れみの気持ちは見られない。
ただの事実であり、起きてしまった結果を、ただ話しているに過ぎない。
「・・・・・・桜太くんの処分、は?」
当初の目的を忘れてはいけない。
月野はソファーギリギリまで移動し、鷹斗に話を切り出した。
「殺すなんて、あんまりだわ。もう少し・・・・・・どうしたの?」
真剣に話しているのに、鷹斗は真意の読めない笑みを浮かべて、月野を見ていた。
「ごめんね、月野ちゃん」



