「元気ないわね。悩み事?」
「・・・・・・男の人の家にひとりで行くのって、危ないですよね?」
紅茶を飲み、月野は椿の反応を待つ。
「何? 十夜に誘われた?」
「ち、違います。そんな仲じゃないですし」
お菓子を食べて、月野は誤魔化す。
「あら、つまんない。・・・・・・でもまぁ、危険以外の何物でもないわね」
「そうですよね」
「逃げ道の確保と、武器の携帯は必須だと思うけど」
「それは、ちょっと・・・・・・」
別に戦いに行くわけではないのだし。
月野の様子を見ていた椿は、少し悩んだ後、あるものを差し出した。
「は、花村さん?」
「お守りよ」
椿が差し出したのは、銀色に輝くナイフだった。
鞘にナイフを入れ、椿はテーブルに置いたまま焼き菓子をかじる。
「十夜には言わないの?」
「・・・・・・すみません」



