かといって、月野と比べるのは論外だ。
「じゃあ、連絡先の交換だけでも」
「失せろ、目障りだ」
優しさの欠片も感じさせない、鋭く冷たい声音。
女の子が怯えたように、肩を震わせた。
「綾織くん?」
名前を呼ばれ、十夜は振り返る。
本屋の袋を手にした月野が、十夜の顔を見て首を傾げた。
「どうしたの? そんな怖い顔して」
「いや、なんでもない。行こう」
表情を和らげてから、十夜は月野と歩き出す。
背後の女の子が、恨み言のように騒いでいたが、十夜にはどうでもよかった。
「女の子には優しくしないと」
鷹斗がからかうように笑っている。
「興味ない」
「お前ならより取り見取りなのにな。っと、デートのお誘いだ」
鷹斗が携帯を取り出し、ふたりに別れを告げる。
「慌ただしい奴だな」



