「じゃあ、その新刊を買った後の予定は?」
「特にはないわ」
強いて言うなら、買った新刊を読むため、早く帰るぐらいだろうか。
「う〜ん・・・・・・。洋服とか、欲しくない? なんなら、映画でも観に行く?」
鷹斗の脳内に、十夜の存在は考慮されていない。
十夜は肩を落とし、視界を邪魔する前髪をかき上げた。
「ひとりですかぁ?」
不意に声をかけられ、十夜は振り返る。
派手な出で立ちの女の子がふたり、十夜を見上げていた。
「一緒に遊びません? 今からカラオケ行くんです」
「・・・・・・」
遠巻きに、友達らしい女の子が数名見える。
十夜を見ては、何やら頬を赤らめてはしゃいでいる。
「悪いが、連れがいる」
「え〜、ひとりじゃないですか」
こういう種類の女は、嫌いだ。
愛理はまだ、引き際もわきまえているし、何より品格が備わっている。



