ゴールデンウイークのある日、月野は十夜と共に、買い物に来ていた。
毎月、両親から届くお小遣を手に。
けれど、十夜は心なしか不機嫌そうだった。
何故か、隣に鷹斗がいるから。
「デートの邪魔をしに」
「デートじゃない」
月野に聞こえないよう、ふたりはなるべく声を落として話す。
「デートだろ? なぁ、お前さ、月野ちゃんのこと、実際どう思ってるんだ?」
「お前、何言って―――」
鷹斗がニヤッと笑い、答えを聞く前に、月野の元へ駆け寄った。
「月野ちゃん、何買うの? 洋服? 化粧品? それとも・・・・・・」
「新刊よ」
「新、刊?」
予想もしない単語に、鷹斗が聞き返すと、月野が笑顔で頷く。
「好きな作家の新刊が、発売されるの。面白いのよ」
「へぇ・・・・・・」
色気がない買い物だなぁ、と心の中で呟く。



