「な、何っ?」
慌てた月野は、イスから素早く立ち上がった。
「逃げなくても・・・・・・」
「ご、ごめんなさい」
月野が謝ると、鷹斗は気にした様子もなく、笑顔に戻る。
「ここが月野ちゃんの部屋かぁ。何て言うか、いい匂いがするね」
鷹斗の目が怪しく光るのと同時に、女の子の怒声が響いた。
「気持ち悪いこと言ってんじゃないわよっ」
「桐条さん」
意外な来客に、月野は素直に驚いた。
「これ、お見舞い」
「あ、ありがとう」
フルーツの詰め合わせを受け取り、月野は複雑な顔になる。
病人じゃないんだけど・・・・・・。
「お前達、騒がしくするならさっさと出ていけ」
十夜が入口で、ふたりに冷たい視線を送っていた。
「俺としては、月野ちゃんとふたりきりになりたいとこなんだけど?」



