「お前にあげるわ」
「え、でも・・・・・・」
「いいのよ。私が死んだら、この写真達は、価値が無くなるもの」
そう言って、美鶴は3人が写った写真を、月野に渡した。
「価値が無くなる・・・・・・」
「この頃が、1番幸せだったのかもしれないわね」
美鶴は紅茶を飲み、微笑を浮かべた。
「おばあちゃんは、お父さんに会いたい?」
「会いたいと思ったことはないわ」
カップを置き、美鶴はアルバムをそっとなぞる。
幼い息子の写真を見つめ、目を伏せた。
「本当は、会いたいんじゃ・・・・・・」
「あの子は、音無を捨てたのよ。会うことなど、無いわ」
躊躇いのない言葉。
月野は俯き、ミルクティーを飲み干した。
「月野ちゃん! お見舞いに来たよ〜」
ノックも無しに扉が開いたかと思えば、元気な鷹斗が部屋に飛び込んできた。



