「私の夫―――香月よ」
1番最初のページ貼られた写真には、紳士的な笑顔を浮かべた男性が写っていた。
「名の通り、私の暗い夜を照らす、月のような人だったわ」
愛おしそうに、懐かしむように。
美鶴は写真を見つめる。
「お前に、どこか似ているわね」
「私、こんなに綺麗じゃない」
「雰囲気の話よ。でも、黒髪や目元辺り、似ていると思うわ」
そうだろうか?
月野は写真をジッと見つめた。
この人が、美鶴の大切な人。
この人が亡くなったから、美鶴は―――。
「あぁ、これは慧ね」
ページをめくった美鶴が、ある写真を見て手を止めた。
「小さい頃の、お父さん」
香月と美鶴の間で、笑顔を浮かべているのは自分の父だ。
父は自分の家族のことも、小さい頃のことも話さないから、この写真は貴重だ。



