どこが素敵なのか、十夜には全然わからない。


「あの子供の処分は、どうなる?」

「本家が香堂だから、香堂側が判断するそうよ」

「そうか」


椿はエプロンを外し、結っていた髪を下ろす。


「そういえば十夜、あんた最近、血飲んでる?」

「・・・・・・いや」

「気をつけなさい。あんまり我慢し続けて、月野ちゃんを襲いでもしたら、笑えもしないわ」


椿の警告に、十夜は小さく頷く。


「あ、言い忘れてた。近々、集まるわよ。音無家が」

「いつだ?」

「5月頃とは聞いたけど、詳しい日程はまだよ。多分、月野ちゃん関係の話でしょ? あぁ、嫌だ」


椿はそう言いながら、キッチンを出ていった。


(音無家が集まる。月野に何もなければいいが・・・・・・)


十夜はキッチンの明かりを消して、自分の部屋へ戻ることにした。