赤くなった手首を隠し、月野は笑顔を返す。
「・・・・・・」
「・・・・・・す、座る?」
ばつが悪いとでも言うのか。
そんな表情の十夜を、月野はベッドに座らせた。
「月野、隣に」
「あ、うん」
隣に座ると、十夜が月野の手を掴み、眉間に皺を寄せた。
「痛むか?」
「ちょっと・・・・・・」
縄で擦れて、皮が剥けている部分もあるが、我慢できない程じゃない。
「守るって言ったのにな」
「守ってくれたでしょ? 私、血吸われなかったし」
月野の言葉に、十夜は視線を逸らす。
「気にしないで。私、大丈夫だから」
十夜が悪いわけじゃない。
そう言っても、十夜は自分自身を許せないのだろう。
「綾織くん」
月野が、十夜の手を握り締める。
「私、綾織くんを怖いと思った」



