虹色の桜




カフェ「i」につくと着替えお店にでる。


今はレジ担当。

だからそれまでレジにいた3つ年上の大学生の樹葵(イツキ)さんに声を掛けてレジに入る。


「お疲れさまです。レジ替わります」


「おぉ、さんきゅー。じゃあ俺休憩入るわ」


「はい」


そして俺は営業スマイルでレジの仕事をこなす。


「お決まりのお客様いらっしゃっればどうぞ」




しばらくたつと今度はカフェの方のホールに回された。


注文をとりケーキのセットを持っていく。

その時、大学生くらいの2人で来ていたケバい女にメモを渡された。


「連絡して?灯李くん」


はぁー
またかよ。

たまにこういう客がいる。

だけど、バイト中だし、面倒くせーしもちろん断る。


「申し訳ありません。こういうものは頂けません」


「どうしてー?いいじゃん、ちょっとくらい」


まじうざい。
無理なのは無理。

香水はきついし、顔はケバいしバイト中じゃなくても無理だっつーの。


だけど今はバイト中。

営業スマイルを崩さず対応する。

「お客様に何か頂くことは規則で禁止されていますので…申し訳ありません」


「ふーん。じゃあまたくるから注文灯李くんとってね?」


んなもん誰が注文とるかなんてわかんねーに決まってんだろーが。

内心はばかじゃねーの?と思いつつも笑顔で言う。


「はい、もちろんそうさせて頂きます。またお越しください」


そう言うと客は満足したように「よろしくねー」と言いながらケーキに手をつけ始めた。