虹色の桜




教室に帰るとホームルームは終わっていてざわざわしていた。


「灯李またサボってたねー。夏帆ちゃんまた灯李のいない机見てため息ついてたよー」


今言ったのは
可愛い系な顔の神崎飛月(カンザキヒヅキ)。


それから

「あまりにも灯李がサボるから賢ちゃん(担任)学年主任に面くらったって嘆いてたぞ。もうちょっと授業でてやれよー」

好青年って顔つきで学級委員の松島愁(マツシマシュウ)。


普段はこの4人でいることが多い。


「飛月と愁だって一緒にサボってるだろ。」


「飛月はともかく俺はほとんどサボってない。」

「あー愁ひどい!俺だってこの2人よりはちゃんと机で寝てるよ!」


「結局は寝てるだろ。」


「おい、飛月『この2人よりは』ってなんだよ!」


「ほんとのことでしょー、陵。」


最初は愁と飛月が言い合っていたはずなのにいつの間にか陵と飛月になっている。

いつもそうだ。


それを愁がなだめる。



本当に愁は子供の扱いがうまい。