ケーキ食べに来てるならケーキを食え!
そう思っていると9時になり店を閉める時間になった。
最後の客がでると看板の明かりを消し、今日はホールの掃除をしてあがった。
休憩室には樹葵さんとパティシエとして働いている寧々さん、柳之介さんがいた。
「お疲れでーす」
「おぉ、灯李お疲れ!まーたなんか渡されてたろー?」
樹葵さんはニヤニヤしながら聞いてくる。
あとの2人は
「またー?相変わらずモテモテだねー、灯李は。」
「ほーんと、羨ましいよ」
「全然ですよ」
と柳之助さんの言葉に苦笑いの俺。
「そんなこと言っていいわけー、柳?真子に言うよ?」
と意地悪な笑みを浮かべる寧々さん。
柳之助さんは「真子さん」という婚約者がいて真子さんは今フランスでパティシエ修行中。
だけど2か月後に帰国が決まっていて帰ってきたら結婚して2人でお店をだすそうだ。
だから一緒に働けるのもあと少しだ。
寧々さんは2人の高校の同級生で真子さんとは親友らしい。
寧々さんはこの春まで産休をとっていて新米ママだ。
