この時期の泥棒【短編】




「渡辺…」


少し眉をひそめてこっち見てきた。


もしかして言いかけた言葉が分かってしまった?

好きだっていう気持ち、ばれてしまった?


そんな…せっかく今まで見てただけで

話せるようになるくらい

発展したつもりだったのに…。



『あ、あー…ごめん!

さっきのは聞かなかったことに…』


「それは出来ない」


『え…?』


「俺は渡辺が好きだ。

だから違うことを言われたら困るんだけど」


『うそ…』


まさか、ここで告白されてしまうなんて。

あの瀬川君が私に…。



「今日ずっと、渡辺からの言葉を待ってたのにさ

何も言わないで帰ろうとしてたじゃん」


『だって、それは…っ』


「渡辺、付き合って」


『うん…お願いします!』


どうしよう、嬉しすぎて涙が出そう!