ハジメテヒトヲ…


「今日、帰ってくるの遅かったね?」
「う、うん…」
「…どうかした?」

私は花音が無事で安心した。
でも、どこか花音の様子がおかしい気がする。

「え!?な、何で!?」

花音は一瞬焦ったような顔をしたけれど、すぐに笑顔へと戻る。

「いや、少し元気ないからさ…」
「そ、そんなことないよ?大丈夫だからっ」

花音は笑顔だ。
でも、その笑顔には少し元気がない。

「でも…」
「大丈夫だって言ってるでしょ!?」

私が「本当に?」と続けようとした時、突然花音が大声で言った。

しかし花音は、自分でも驚いたらしく
焦った様子で

「ほ、本当に大丈夫だから!心配しないで?あと、今日は疲れたからこのまま寝るね?夕飯はいらないってお母さんに言っておいて!」

急ぎ口調でそう言って、私が何か答える前に階段を上がっていってしまった…