「...な、何よ?」
遥は、一瞬びっくりしたような顔をしたが、すぐに冷たい顔へ戻った。
私もびっくりした。
今まで、ターゲットにされた子で冷静に口を開いた子はいなかった。
みんな、泣き崩れるか、奇声をあげて去って行くかだったのだ。
「遥ちゃん、ごめんね...?私、遥ちゃんに嫌われてるってわかってたけど、私は遥ちゃんのこと好きだから...昨日は楽しかった」
晴美ちゃん...
どうして晴美ちゃんが謝るの?
悪いのは遥なのに...
晴美ちゃんは悪くないのに...
「ええ、私はアンタが嫌いよ?昨日だって、無理して笑ってたんだから」
「うん、知ってる...それでも、遥ちゃんが私に笑顔をみせてくれて嬉しかった...」
晴美ちゃんは、どこまで優しい子なんだろう?
そして、笑顔で、一筋の涙を流しながら
「今まで、ありがとう」
と言い残し...
次の日、晴美ちゃんはこの世を去った...
なんでも...
晴美ちゃんが家に帰るとお父さんの会社の株が大暴落していて、会社が倒産し...
お父さんは、家で首を吊って自殺していたそうで...
それに加えてお母さんは交通事故に遭い、しばらくして還らぬ人となったらしい...
一気にどん底へ突き落とされた晴美ちゃん...
きっと、何かしら遥が絡んでいる筈だ。
株は、ある会社によって潰されたようだったから...
