その日、学校で数学の授業を受けていた時のことだ。
「桜木さんはいる!?」
担任の佐藤先生が教室の扉を開けると同時に私の名前を呼んだ。
「はい…?」
返事をした私を見つけた先生はつかつかと私の前に向かってくると
「桜木さん、すぐに病院に向かって。あなたの双子の妹の花音さんが病院に運ばれたの」
そう言った。
私は、突然告げられた唐突な言葉に思考が停止して
先生が何を言っているのかわからなかった。
「驚くのも無理はないけれど、取り敢えず今は早く病院に行ってあげて。命が危ないの…私の車で行けばいいから」
「は、い…」
私はやっとの思いで声を絞り出して頷いた。
そして準備をして
佐藤先生の車に乗り、病院へと向かった。
