枝、葉、花。

灯篭のように、おぼろに光っている。


赤、青、黄、緑・・・

様々に変わる色彩。

まるで虹のようだ。


「昼に浴びた光を放っているのじゃよ」

「きれい・・・」

「我が身を飾り、つがう相手を探しているのじゃ」

「つがう?」

「愛を交わす相手を探しておるのよ」



枝を揺らし、葉を揺らし・・・

花をほころばせる。


風も無いのに、はらはらと舞う花びら。

ただよう香り。


そっと伸ばした枝先同士が絡み合う。

ためらいがちに、花と花が触れ合う。

まるで口づけを交わすよう・・・。


恥ずかしがるかのように震える葉が、かすかな音をたてる。

さわさわ、さわさわ・・・。



動物たちは、何も見ていない。

何も知らずに眠り続ける。

木々達の特別な時間に、決して触れることは無い。