私のお母さんも出掛ける度に、お父さんに貰ったフローラルの上品な香りの香水を付けていた。 その時のお母さんの顔は、すごく幸せそうだった…。 だけどその香水も今は、お化粧台の引き出しの一番奥にしまわれてしまった。 ――――― ――… 今日は東先輩が味音痴なのと、部長にフィアンセがいるって事が発覚した。 メンバーと関わらないようにしなきゃいけないのに… あたしはどんどん“ヒヤチュー”にのめり込んで行くことになるなど、この時はまだ想像もしていなかった。