そうなんだ。


早期発見、早期治療さえすれば、克服できるんだ。


やがて、受話器に誰かの声が響く。


「はい、A大学です」


「あのー、そちらの大学に通う原田マサキくんにどうしても伝えたいことがあって…」


さようなら、マヤ。


キミと過ごした時を、一生忘れないよ。


ドキドキワクワクしっぱなしだったわずかな時。


オレたちの未来はお蔵入りになってしまう。


でも、それでいいんだよ。


いや、それがいいんだ。


代わりに原田くんとの明るい未来をあげるからね。


オレ?


オレなら大丈夫。


キミが幸せなら、それで十分。


オレにとって、マヤが世界で一番なんだから。