~ざあ~

すこし強く吹くと風が桜の花びらを運んでくる。

その光景はまるで夢のような現実。

私は少したちどまり空を眺める。

あなたがいなくなって、もう4度目の春です。

「綺麗ですね・・・」

私は心の中にいるあなたに問いかける。

もちろん、答えなんて聞こえるはずがない。

だけどあなたはきっと

“ああ、綺麗だな”

そう言って優しく微笑んでくれたでしょう。

私はまた歩き出す。