神木くんの声。 教室の中を目で探す。 あ。 いた。 勉強してる。 してる。 杏里と、 もう一人と。 ねぇ、なにあれ。 距離近すぎだよ。 何教えてるの。 杏里の顔は神木くんの陰でよく見えなかった。 杏里がふと顔をあげる。 ―――杏里の表情が見えた。 「…ありがとう」 そう言った。 消えそうな声で。 ふたりの目が合う。