更衣室に戻ると、盛り上がる先輩達を他所に大和はトーナメント表をじっと見つめていた。

準決勝。

次の相手は秀華高校。

谷先輩の学校だ。


更に準決勝と同じ日に決勝戦も控えている。

アズイチも勝ち進んでいて、決勝に行くことほぼ間違いなし。

そうなると、次はかつてのチームメートと続けて対戦することになる。

こっちの手の内を知られ、相手の手の内も知ってる。

だけど、お互いにレベルアップしてる。


だからどうなるか想像がつかない。


「知ってるか?
秀華のDF王子」

「DF王子……?」

「すげぇ優しそうな顔してんだけどさ、超DFしつこいの」

「あー、聞いたことあるー。
顔は優しそうだよねー」

「性格も優しそうじゃなかったか?」


先輩達の言葉にあたしと大和は顔を見合わせる。