大和がシュートを放った。

……が、それはいとも簡単にアキ君にブロックされてしまった。

そのままアキ君はチームメートにパスをし、ゴールの方へ走る。

ゴール手前でボールを受け取ったアキ君は綺麗なフォームでシュートを決めた。


……アズイチ優勢。


「無駄のない良い動きだ。
さすがアズイチの二年生エースなだけはある」

「……押されてますね」

「高瀬が通用しないとはな……」


相手チームにどんどん点を入れられていく……。

初っぱなからすごい勢い……。


「だが、試合はこれからだ。
高瀬は試合の途中から力を発揮してくるヤツだ。
秀華戦の時みたいにな」

「……そうですね」

「だから、第1クォーターが終わったら真っ先に高瀬に話しかけてくれ。
岬にしか頼めないことだ」

「……?
はい、分かりました」


もちろん選手には声をかけるつもりだけど……。

監督の言い方が少し気になった。