「由秋、顔怖いよ~?」

「触んないで」
つんつんほっぺをつついてくるあいつの手を振り払って、絢乃(アヤノ)の席に行った。


「絢乃、おはよう」

「おはよう!寂しそうな顔してる人いるんだけど」

「ほっといていいよ」

「……(笑)」


苦笑いの絢乃が見る方向をちらっと見ると、しゅんとうつむいて立つあいつ。


そんな子犬みたいな表情したって無駄だし。





あたしはあんたなんて、嫌いなんだから。