「……一ノ瀬?」

「…どーしたの?」

「一ノ瀬って、あの一ノ瀬颯?」



さっきまでギャーギャー
言ってた翔君の顔がいきなり強張った。



「う、ん?」

「麗、お前あいつになんもされてねぇよな?」

「え、うん」



キスはされたけど…。



「あいつには近づくなよ。あんま良い噂聞かねーし、女関係の噂は最悪だ」

「……心配しなくてももう関わることないよ」

「そっかならいいけど」


翔君はにっこり笑って
あたしの頭をまたポンポンした。




そしてご飯もできたようで
初帆さんたちに呼ばれたから
あたし達は話をやめて
いつものように他愛もない
話をしながら賑やかに夕食を食べた。