「俺、一ノ瀬なんかに負けねぇから」 な、 「なんで颯が出てくるの……」 「分かるんだよ。いつもお前のこと見てたから」 ………知ってたの? 「でも、譲る気ねぇよ」 知っててそれでも あたしに好きだって言ったの? 「これからは男として俺を見て。返事はどんだけでも待つから」 涙はもう止まっていた。 瞬は屋上から出て行ったけど あたしはその場から動けずにいた。