颯がいなくなって あたしたちの間に 少しの沈黙が流れた。 それは気まずいもの。 「………あの」 「麗!お前本当になんもねーのかよ!」 「な、何もないって」 瞬様、怖いよ。 「まぁまぁ。とられるのが怖いのよね瞬は」 「夏帆っ!!!」 あたしに怒っていたのに 次は夏帆に怒り出した瞬。 もう放っておこう。 先に歩き出したあたしの 隣に翔君が来た。 「麗、大丈夫か?」 「???…なにが」 「…いや、なんでもねえ。ていうか、一ノ瀬ってあんなんだっけ?」