「ねぇ、反対、反対!」 店を出てあたしの家も 知らないくせに 勝手に進む一ノ瀬颯。 「は?早く言ってよ」 あんたが勝手に 歩いてたんでしょ! 「…こっち」 手は離してくれそうもないから 今度はあたしが一ノ瀬颯を 引っ張って歩く。 こんな状況、学校の人たちに 見られたら大変だよ。 そんなことを考えながら 歩いていたら目の前から 歩いてきた女の人と目があった。 「颯?颯でしょっ!?」 一ノ瀬颯の知り合い? 「……誰だっけ?」 人違い?