1年記念日を忘れていた

デートの約束も忘れていた

連絡もなしに何時間も待たせていた

挙句の果てに浮気


机の上に置かれた手紙と鍵は

別れると宣告されたも同じ。

実際、宣告された。


最悪だ。

最低な男だ。


「深久……」


無機質な機械音だけが

虚しく聞こえてくる先に

深久がどんな顔でいるのかと

考えただけで胸が軋んだ。