あたしの胸は小さいけれど【完】

”本当だな!誰か来てるかもしれねぇな!”的な返しが、笑顔と共に来るって思っていたのに、

拓斗からは”それがどうしたの?”的な冷めた返事が返って来ただけで・・・




「それよりも、早く海に行こうぜ。夏の海って最高だよな。可愛い女の子がいっぱいいて、その上露出度高くてさ」




そうかと思ったら急に顔を上げて、砂浜にいる女の子の集団を見つめながら楽しそうにそんな事を言う。



あたしの方は相変わらず見ないのに・・・




「・・・・・」



拓斗のこと分からない・・・

全然何考えてるか分からない・・・




「さゆりちゃんのビキニ姿も拝めてラッキーだった!来た甲斐あったよ」


「拓斗・・・」



なんで、あたしにそんなこと言うの?

聞きたくないよ。



聞きたくない・・・



耳を塞ぎたくなった時、追い討ちをかける様に拓斗の言った一言が、あたしの心に突き刺さった。