あたしの胸は小さいけれど【完】

「・・・岡崎に今日ここに来る事言ったの?」


「え?・・・今なんて?」



ボソッと呟いた拓斗の声は、大勢の人達の笑い声や、スピーカーから流れる陽気な音楽にかき消されて、あたしの耳までは届かなかった。



「・・・いや、何でもねぇよ」



全然会話が続かない。

そして拓斗はなぜか機嫌が悪い。

何とかこの空気を変えたくて、あたしは思いっきり笑顔で話しかけた。