あたしの胸は小さいけれど【完】

ニコッと笑顔を作ってから拓斗を探す。




夏休みの海は人・人・人のすごい賑わいで、着替える前に待ち合わせした場所もすごい人だかり・・・



その中から、拓斗を探すのも大変で・・・




いた!




ドキドキしている気持ちを落ち着かせながら、拓斗の背中に小走りで近付いた。





「たく・・・・・」


「あれ?拓斗くん!来てたの?」





あたしより先に女の子が拓斗に声をかけ寄った。





あ・・・さゆりちゃんだ・・・





それは、拓斗が『可愛くて、スタイルがいい』と絶賛していた、さゆりちゃんだった。





「あれ?さゆりちゃん、来てたんだ?」


「うん!拓斗くん、偶然!」





楽しそうに向い合わせで話す2人。

思わず、拓斗に声を掛けそびれて、そのまま立ち尽くすあたし。