あたしの胸は小さいけれど【完】

3年前──中学2年の夏休み前日




拓斗が真っ赤な顔して『2人で海に行かない?』って誘ってくれたんだっけ?




あの時は、片思いしていた拓斗に誘われてすごく嬉しかったのを覚えてる。



当日、あたしの水着姿を見て、真っ赤っかになった拓斗。





『はぐれちゃいけないから』って、照れながらもそっと手を差し出してくれて初めて手を繋いだ。





そして、『好きだ!』ってびっくりするくらい大きな声で告白してくれて。



拓斗があまりにも大きな声を出すから、周りの人達に冷やかされたっけ。








拓斗は思い出してくれるかな?

あの時のドキドキした気持ちを・・・






でも、もし、そんな気持ちを拓斗が思い出せないなら、あたし達はもう、きっと・・・






あ───っダメ!ダメ!

また、ネガティブモード入ってる!






頬をパンパンっと叩きながら気合を入れた。