でも……違うよ。
「……上手くなんてない」
「ぇえっ!? なんでだよ?!」
「……満足してないんだ、あたし。この絵ね、完成したけど、もっと上手くできたなって思うの」
「描き直さねーの?」
「そしたら、この絵じゃなくなっちゃうでしょ? これは、あたしが描いた絵。誰にも真似できないし、あたしがもう一度描くこともできないから」
「……すげーな、お前」
「ぇ?」
「すげぇ、超かっけーっ!! 委員長は、絵描く才能あるよ。もし、この学校の奴ら全員が否定したって、俺は言ってやる。
委員長は天才だ、って」
「……ふふっ、ありがとう」
「しっかし、ここ涼しーなぁ」
「いい場所発見した」なんて言いながら、木のテーブルに寝転がる日向くんを見て、あたしは小さく笑った。

