腕時計と電子掲示板を交互に見つめて改札口の前でそわそわしていると



「待ち合わせー?」



げっ。



茶髪に金色のメッシュが入ったいかにもチャラそうな男に声を掛けられた



「まぁ。そんな感じ」



冷たい声で言い返すと



「マジでー?奇遇だね!

俺も待ち合わせなんだけど、超暑くねぇ?

あそこのカフェ入って一緒に時間潰そうよ?奢るからー」



超暑いけど…



「私、全く暑くないからいい」



誰がアンタなんかとカフェに入るか!バーカ。




「じゃあジュース飲む?」



「のど乾いてない」



「じゃあ番号交換しちゃう?」



「無理。」