「私は、私が羨ましいです」



と、美砂は微笑んだ。



「何で?」



「こんなにも愛されているんですから」



そうだ、いつの間にか美砂の事をこんなにも愛してしまっている。
どうして…?



どうしてなんて聞くまでもないか。


人間の心なんてそんなものなのだから。




「クス。早く記憶戻せよ」



俺はそう言って美砂の頭をクシャと撫でた。