菜々side


私は、車に乗った。


仁「お嬢、どうでしたか?」

『んー。あそこの奴らは、桐原に無理矢理みたい…』

仁「やっぱり…」


やっぱり?


確信してたみたい…


『どういう事?』

仁「私のダチもあそこにいるのです。無理矢理って聞きました…」

『そう…』


やっぱり、無理矢理ね…


どうにかしないとね…


『いつ、桐原息子は家にいるの?』

仁「木曜日だそうです」

『そう…。教えてくれて…ありがとう。桐原組のスパイさん』


何か、違和感があった。


ずっと…


父さんも気づいてるはず。


仁「お嬢?何を?」

『冷静に言っても意味ないわよ?』

仁「そうですね…ばれてましたか…」

『バレバレよ』

仁「さすが、お嬢」

『でも、仁。あなた、ここに来たときはスパイじゃなかったのでしょう?』

仁「はい。親友を…人質に…」

『そう…』


人質ね…


最低ね…