ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ
規則正しい音で目が覚めた。
｢向日葵、大丈夫?｣
｢あっうん…｣
｢じゃあ熱測って｣
｢分かった｣
プルル。プルル。
｢あっはい。わかりました。今いきます｣
｢向日葵ごめん。急患入ったから行くな。ちゃんと測って何度か言えよ｣
｢分かった。いってらっしゃい｣
｢おう｣
ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ
｢怠いから38度くらいかな…｣
｢えっ…41度…ヤバい。でも拓にいには迷惑かけたくない｣
ﾋﾟｯ
｢電源切ればバレないかな…｣
ｶﾞﾗｶﾞﾗ
｢向日葵、何度だった?｣
｢38．4度だったよ｣
｢本当に?｣
｢うん…｣
｢そか｣
｢診察するね服捲るよ｣
｢うん――。｣
｢気にしてないから平気だ｣
｢冷たい…｣
｢あっごめんな。熱上がってないか?｣
｢大丈夫｣
｢雑音するから絶対安静な｣
｢雑誌だけ買ってきていい?｣
｢熱が思ったほどないからいいよ｣
｢ありがと｣
｢買ってきたらベッドにいろよ｣
｢わかった｣
｢じゃあ行くな｣
ｶﾞﾗｶﾞﾗﾊﾟﾀﾝ
｢怠いけど平気平気｣
